園芸沼ブログ

園芸好きによる園芸好きのためのブログです。

エキウム・カンディカンスの開花

もう5月ですね。 色々な植物が開花ラッシュの時期ですが、その中でもかなり珍しい

植物が開花しました。

 

青いタワーが眩しいですね。 エキウム・カンディカンスという植物です。

以下が植物基本情報です。

 

植物基本情報

種類  半耐寒性多年草

原産地 アフリカ西岸のマデイラ島

学名  Echium candicans

開花期    春(我が家では4月後半から開花スタート)

草丈  60cm~1.0m

耐暑性 強

耐寒性 中(平地温暖地で霜よけすれば屋外で越冬可能)

 

日本ではほとんど馴染みのないこのエキウム・カンディカンスですが、実は栽培自体は

難しくなく寒さのきつくない関西以西の地域では霜が避けられる場所に植えることで開

花させることも可能です。以下は自分で栽培してみた感想です。

 

高温多湿、乾燥にはかなりの耐性あり とにかく丈夫

日本の高温多湿にもびくともせず、乾燥にも非常に強い植物です。

 

成長がとても早い

一体どこから栄養を得ているのかと不思議なくらい、乾燥した軒下等水分、養分カスカ

スの場所に植えても10センチの小苗から一年で高さ、幅共に60センチほどに成長

し、二年目以降は高さ幅共に1メートル以上根本の幹も3〜4センチと太く木のように

急成長します。

 

一度植えたら移植は不可能

乾燥には非常に強いですが、そういった植物共通の太く荒いゴボウのような根を地中深

くに伸ばすので根っこを抜いて移植するのは不可能と思った方が良いです。

サイズも最終的に幅1メートル以上と大きくなるので植える場所は慎重に決めたほうが

良さそうです。

エキウム・カンディカンスの根本 小苗から2年で木のように木質化。

霜よけ必須、寒さにはやや弱い

関西以西の地域程度の冬の寒さでは軒下等、霜よけすれば越冬、開花できるようですが

これより寒さの厳しい地域の地植えは難しいと思います。というのは関西以西でも寒さ

の厳しい年は芽の先端が寒さでやられ開花まで至らないこともありました。不織布など

で寒波対策すると万全でしょう。

 

まとめ

別名を宝石の塔と言われているのも納得の大きな青いタワー花をダイナミックに咲かせ

咲かせてくれるエキウム・カンディカンス。栽培事例をほとんど見ないので難しいのか

と思っていましたが、むしろ並の植物より強健だったのは意外でした。

花穂の長さは40センチ位にもなります。

 

 

エキナセアの雑種交配したらすごかった。

毎年我が家の夏の花壇を賑わしてくれる宿根草ハーブ、エキナセア

種を採って実生してみたら園芸種で一般的に普及しているパープレアと原種テネシー

ンシスの雑種交配が誕生したのでご紹介します。

普及種エキナセア・パープレア

                   +

原種エキナセアテネシーエンシス

                 ll

パープレア✕テネシーエンシスの雑種交配種

我が家では今まで何回かエキナセアの園芸種同士の交配で種を取り実生から開花まで栽

培していましたが今回紹介する偶然できたこの雑種エキナセアは、どのエキナセアより

も生育旺盛で丈は80センチ以上と大型になり、葉を大量に繁茂させ、花つきも非常に

良く、通常エキナセアは春から夏にかけて花を咲かせ、8月ごろには開花ピークを過ぎ

てしまうのですが、この雑種エキナセアは秋まで絶え間なく花を上げ続けてくれます。

花つきのよい園芸種パープレアに雑種テネシーエンシスの野生の血が合わさ

って花は交配種のように大きく花つきよくも原種特有の野趣あふれる雰囲気も併せ持つ

ハイブリッド強健種が誕生しました。

葉もパープレアと原種の中間のような姿で旺盛に繁茂


改良の進んだ園芸種に原種を戻し交配することで色々と面白い結果がえられそうです

ね。

 

 

ピンキー

アガベの最高峰と言われている王妃笹の雪A型白覆輪ピンキー、最高峰だけに高価なの

で手を出せずにいたのですがついに手にいれました。もちろん財布には大ダメージでしたが(泣)

ゼッタイ枯らしたくないので鉢は陶器の砂入りエビネ鉢に用土は日向土単体という水

はけ通気性に超特化した植え込みでピンキーゼッタイ枯らさないマン体制です。ピンキ

ーは水を欲しがるアガベらしいですが、多少生育は遅れても蒸らして枯らしてしまうよ

り良いでしょう。

子株をほとんど吹かないそうなので増やすには大きくしてから胴切り、縦割りするか、

組織培養で増やすしかないようです。まずは今年の夏を乗り切らねば。

 

アロエを実生してみる。ポリフィラの発芽確認。

アロエの実生してみました。

まずはアロエ・スペクタビリスAloe spectabilis)。

ポットに用土を詰めて腰水にして放置。アロエは種子の鮮度が良ければ発芽率良いので

実生で増やすのは比較的簡単な部類だと思います。

種まきから一ヶ月半経過し順調に生育中。

 

お次はやや発芽が難しいと聞いていたアロエ・ポリフィラ(Aloe polyphylla

先程のスペクタビリスと同じ日に種まきしましたが、一ヶ月たっても発芽せず

ややあきらめムードでいたのですが、、、

種まきから一ヶ月半ほどで発芽確認!20粒中4株だけですが非常に嬉しい!

難しいといわれているのは、この種は発芽まで時間がかかるようです。この間ずっと腰

水で管理してましたが後半あきらめムードで水も交換せず放置状態でも発芽してくれま

した。夏の高温多湿に弱い種らしいので蒸らさないようにしていきたいです。

 

冬に胴切り

寒い時期ですが、毎年恒例(?)アガベの胴切りしてみました。

 

今回胴切りするのはこちら。

 

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チタノタの白鯨です!めらめら鋸歯がたまらん!

 

抜き苗から植え付け一年たったので胴切りで子株増殖していきます。

 

カッコいい本体部分をバラさないように平行にナイフを入れていきます。

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カット完了

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きれいに首チョンパできました!

あとは切り口をしっかり乾燥させて、仔吹きを待ちます。

 

 

2ヶ月後様子がこちら。

 

 

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無事仔吹き。子株、7つ確認できます。ただついてた下の葉は茶色く枯れてしまったの

 

でイマイチ仔吹きに勢いがないですが、確実に芽吹いて来てるので良いでしょう。

 

切り取った上部分も水差しで発根管理中。

 

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地植えできる多肉紹介

どうも、みやです。最近アガベ塊根植物の人気上昇と共にドライガーデンにも注目が

集まってますね。

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フリー素材から引用。こういうドライガーデン作ってみたい!

ただ日本の路地でドライガーデンを作ろうと思うと冬の寒さがネックになって

来ますよね。全部鉢に植えて地面に埋める等でもそれっぽいものは作れそうですが、や

っぱりガーデンというからには地植えでしょ!と言うことで、今回は日本の路地でも植

えっぱなしで栽培できる丈夫な多肉系植物を紹介します。

 

ユッカ

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殆どの種が耐乾燥、耐暑、耐寒性が非常に高く、水はけを確保できれば植えっぱなしで

きます。代表的な品種でロストラータ、リギダ。日本でもお寺の植栽や街路樹としてア

ツバキミガヨラン、イトランが有名です。

 

アガベ

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アガベで地植え可能な品種というと耐寒性があるかどうかで決まってきます。前述のユ

ッカと違いアガベは耐寒性の高い品種と比較的弱い品種があります。以下は耐寒性が高

く中苗以上のサイズで植えれば氷点下でも耐えられる種類です。

 

パリー 

パリーと名前に入るアガベはほぼ耐寒性が高いと考えて問題なしです。

 

モンタナ

高山性なので耐寒性は高い。蒸れには要注意

 

フェロックス

大型になり頑丈。

 

アメリカーナ

和名アオノリュウゼツラン。日本のあちこちに植えられているくらいなので非常に丈夫

 

オバティフォリア

別名ホエールタンアガベ。子株が出ないため少しレアだが耐寒性は最強クラス。

 

 

ユーフォルビア・ウルフェニー

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少し珍しいけど見た目が多肉っぽいので紹介します。この品種は耐乾燥、耐暑、耐寒性

高く、ベス・チャトー氏のクラベルガーデンでも植栽されている品種です。春に眩しい

ような黄色の花序を展開させる姿が印象的です。自分の庭にも植えていますが勝手にこ

ぼれ種からあちこちに増えていくほど強いです。

 

 

サボテン(マイナス5度以下になる地域では地植え不可)

金鯱

数少ない日本で越冬できる丸形サボテン。関東以西地方まで地植え可。

 

ウチワサボテン(オプンチア)

ミッキーマウスのような薄ぺらい姿が特徴。全身紫色の品種やとげなし品種がある。

 

柱サボテン

THEサボテン。耐寒性の強い品種は鬼面角、ヤカマル柱、袖ヶ浦

 

まとめ

以上、自分が現時点で知りうる日本の路地で地植えできる多肉類の紹介でした。

この他にも露地植えでき、ドライガーデンの植栽に使える多肉があればどんどん紹介し

ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

パキポディウム・グラキリスの国内実生株

グラキリスの実生のすすめ》

最近塊根植物愛好家の中でも特に人気のパキポディウムグラキリス

僕自身も種から実生で育てています。

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実生グラキリスの夏の様子

現地球のような丸っこい姿になるにはまだまだ時間がかかりそうですが、少しずつ塊根

部が太ってきて非常に可愛らしく愛着があります。そんな魅力的なパキポディウム・グ

ラキリスの基本情報を以下にご紹介。

 

植物基本情報

種類  非耐寒性多年草

原産地 マダガスカル

学名  Pachypodium rosulatum var. gracilius

開花期    春

草丈  10cm〜30cm

耐暑性 強

耐寒性 弱

よく自生地から採取してきた現地球がよくオークション等でも高額で取引されていま

すが、最近は種をまいて国内実生株を栽培している人や実生株の出品も多くなってきた

ように思います。そんな我が家の実生株の成長記録です。

 

f:id:engeidansi:20220123171653j:plain一年目、発芽して二週間ほどの生まれたて赤ちゃん苗

 

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その年の冬、生後4ヶ月で少し塊根植物っぽくなってきた様子。

 

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種まき後、二年で小指の太さに成長。

 

 

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種まき後4年の苗。塊根部も太ってきて風格が出てきましたね。この株はタコ型に進化

しました。

 

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前の画像の株の一年後です。今年は初めて緩効性肥料をやり、そのせいかは分からない

けどパンプアップし貫禄が出てきました。カワイイ。

今後も成長が非常に楽しみです。

 

どうです?少しずつ塊根部が太り成長していく姿が愛らしくてたまりません。

 

以下に簡単な栽培する上でのポイントをご紹介。

 

直射日光にガンガン当てる

 

自生地のような丸っこい株にしたいならできる限り直射日光下に置いて、厳しく育てま

しょう。風にも当てられると尚最高です。屋上がぴったりかもしれないですね。ただ発

芽したばかりの赤ちゃん苗を真夏の強光にさらすと葉が焼けたり萎れたりするので注

意。

 

容器はプラ鉢よりも素焼き鉢がオススメ

 

これは僕の栽培している上での感触ですが、プラ鉢に植えた株より、素焼き鉢の株の方

が塊根部の太りがよく、丈夫に育っている傾向があります。自生地では岩の隙間にしが

みすくように生えているので多孔質で根が呼吸しやすい素焼き鉢の方がパキポディウム

には合っている為と考えています。ワイルドに雨ざらし管理するなら真夏の蒸れも大敵

なので蒸れ対策には素焼き鉢がオススメ。

 

野外で雨ざらし管理するときは鳥よけ必須!

 

発芽間もない小さな幼苗はぷにぷにしているためか、鳥から見ると芋虫等、餌に見える

ようで、野ざらしでおいて置くとたまにムクドリ等の野鳥に苗をひっこぬかれていたり

(引っこ抜くだけで食べない)するので小さい苗は必ず鳥が侵入できないようネットを

張るなど、対策しましょう。

我が家では、目の大きいきゅうりネットを上部に垂らすように一部張るだけで鳥

のいたずら被害は一切なくなりました。ただネットは日光浴の妨げになるので、周囲を

囲むように黒テグスをまいても鳥の侵入をふせげます。

 

 

まとめ

すでに完成されて万年姿がほとんど変わらない現地球と違い、実生株は日本の気候にも

順応して育てやすく時間をかけて年々塊根部が膨らんでいくので成長する楽しみもあり

ますね。 今回はパキポディウムグラキリスの実生株の紹介でした。